バラの成長に重要な枝|シュートを増やし育てる

夏のお手入れ

バラの株元や枝元から生えてくる勢いのある枝は、ベーサルシュートやサイドシュートです。新苗は特に重要な項目なので、絶対に覚えておきたいお手入れになるでしょう。今回は「木立ち性のシュート」についてお伝えします。

シュートとは

シュートとは、株元辺りから出てくる勢いの強い枝のこと。他の枝に比べて成長速度がめちゃくちゃ早い特徴を持っています。そしてシュートは将来的に主要の枝になるので大事にしていきましょう。

シュートが将来有望な理由

結論からいうと、枝の数=花数。つまり主要な太い枝が増えるほどに花の数も増えるので、シュートは花の数が増えるチャンスとも言えます。枝数も増えれば光合成をする葉の数も増えてカブも充実する。なので何としても生えてきたシュートを駄目にしてはいけません。

シュートを守り育てる

シュートを生えたまま何の処置もしないでいると、枝はぐんぐん伸びていき、ホウキ状に花芽をつけます。この状態はバラにとってリスキーです。その理由は大きく分けると2つ。

  1. 自重で根本から折れる可能性
  2. シュートに栄養を奪われる

まず、シュートは伸びるのが速いので枝が軟弱です。そのため自分の重さで根本から折れてしまう可能性があります。そして成長の速いシュートにバラ自身は栄養を送るので、他の枝が成長しにくい状態になると言われています。なのでシュートを管理する必要があるのです。

シュートの見分け方

ベーサルシュート

  • 株元や主要な枝元から出てくる
  • とにかく成長が速い
  • 枝が赤く太い

わたしの場合は、生えてきた枝がシュートなのか?を確認するため、ある程度育つまで様子を見ました。黒星病を警戒して、土に近い枝葉を摘んでしまったとして、もしそれがシュートだったとしたら勿体ないので。

シュートの対処法

シュートは柔らかく折れやすいので対処が必要です。その方法は主に3つ。

  1. 枝先端の芽かきをする(し続ける)
  2. シュートを伸ばしてから短く詰める
  3. 短く詰めずに何かで枝を支える

伸びた枝先についた芽を摘み取って高さを調整する方法や、枝の先端につぼみがつくまで成長した時点で短く切る方法や、伸ばしきった状態を支柱で固定する方法です。

とにかくシュートが折れない状態にして、若くみずみずしい枝が時間をかけ、硬く折れない状態に育てることがシュート管理の目的です。

シュートの管理|2024/06

我が家の新苗バラが3年目の春を迎えました。去年までは>>肥料少なめ栽培でしたが、今年からはセオリー通りに肥料多め、頻繁な消毒にての栽培に変更。そのせいか、今年は待望のシュートラッシュです。

>>ハリーエドランドというバラ。とにかく今年は葉を増やすことを目指したいので、伸びてから対処することに。既にシュートが育ち、枝先に沢山つぼみをつけています。しかもシュートから伸びた枝から開花寸前。おそらくサイドシュートだと思われます。

ハリーエドランド・2024/05/31

セオリー通り、他の枝より低い位置で、枝全体の長さの半分程度で切り落とすことに。そこからまた生えてくるでしょう。元々生えていた主要な枝は、枝先がYの字の1本の枝でした。これで当バラの主要な枝が2つに増加。(Y字の内側に生えた方の枝は後で切る予定)

ベーサルシュート
ハリーエドランド・2024/06/06

サイドシュートを剪定から6日後。株元からベーサルシュートと思わしき枝を発見。これは是が非でも育てたい。

ハリーエドランド・2024/06/12

ベーサルシュート発見から更に6日後。たった6日でこの長さに成長。測ってはいなけど、30cmはあるかも。さあ、ここで枝先をピンチするか、この枝の半分からハサミを入れてしまおうか?悩むところです。

ベーサルシュートの様子

短く詰めても直ぐに伸びていくでしょう。何せシュート枝なので。そうこう迷っていると強風の予報。丁度刺した支柱とシュート枝が触れ合っていたので、支柱と麻紐でシュート枝を固定しました。

ベーサルシュート全体の様子

なぜ切ることをためらったのか?というと、このバラの品種は、葉は多きい反面、数が少なかったから。1枚でも多く葉を残したかったからです。

先端を詰めたサイドシュートの様子

05/31日に切ったサイドシュート。12日後には既に約10cmを超えるであろうほどに成長。

ハリーエドランド・2024/06/29

そしてベーサルシュートを発見してから約1ヶ月の本日。

枝は赤色から緑色に変わりつつある状態に。それでもまだ枝の皮は木化してないので油断は禁物。

次の剪定のタイミングで短く詰めるつもりです。しっかりと「枝の皮の面を厚く」育てます。

シュートの生える向き

今回、別のバラに生えたシュートが、よろしくない生え方に。その2つのシュートとは、枝同士が近くに生えてしまい、同じ方向に育っていることです。

ローズオオサカ・2024/05/31
2024/05/31
2024/05/31

そして剪定から約1ヶ月後。

ローズオオサカ・2024/06/29

かなりバランスが悪い枝ぶりに。先ほども書いた通り、今年はなるべく自然に生えた状態から対処するスタイルで栽培しています。もしどちらか1本を摘んでしまい、もうシュートが生えてこない可能性もある。逆に1本を取り除けば、別の方向からシュートが生えてくるかも知れなかったこともあり得ます。

剪定した枝先から伸びた新たな枝
株元から生えた2つのシュート

これも実験。とはいえ、この枝同士が近い状態はよろしくない状況なので、いずれは切るつもりです。こうやって自然に生やしたり切ったりすることで、バラの習性を学べます。

今日のMEMO

シュートとは将来有望な枝。枝数を増やせば花数も増えます。そしてシュートの生え方の調整も必要です。シュートはみずみずしい状態で折れやすいので、枝の皮が厚くなるまで、人が手を入れて守ってあげましょう。

>>ベーサルシュートのピンチ|よい樹形をつくる
>>【バラの新苗】シュートのピンチ|苗から成木に育てるために

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