【バラ鉢植え】元肥2割の栽培法の追肥とは?
バラ専用の土として売られている商品の多くは、堆肥・肥料・腐葉土などがブレンドされています。
一見、栄養豊富な土の方が、バラの生育に必要だと思うところでしょう。わたしも最近までは同じように考えていました。ところが必ずしもyesではないことを知りました。
元肥を減らして根に優しい土を目指す
元肥2割の栽培法とは?
先ずは「元肥2割の栽培法」について説明しておきますが、実は元肥2割栽培法とは、わたしが思いついた造語です。これは、『美しく咲かせるバラ栽培の教科書』という本を監修した、鈴木先生が考案する、土の配合比率のこと。
たとえば、新苗の鉢替えで使うモノの配合比率を、本から引用してみましょう。
- 赤玉土小粒 / 7割
- ピートモス / 2割
- パーライト / 0.5
- もみ殻くん灰 / 0.5
植え替え用の元肥として「ピートモスを2割」使用しているからです。しかも堆肥として使われる元肥は「腐葉土や牛糞」などの、一般的に「栄養がある」といわれるものではありません。
そして栄養は元肥から摂取させるのではなく、定期に追肥を与える方法を紹介しています。これがタイトルに書いた元肥2割の意味でした。
>>バラ栽培の初心者が『バラ栽培の教科書』を読んで驚いた1つのこと
ピートモスに養分はあるの?
ちなみにピートモスとは「枯れた水コケが体積した有機物」なので、養分は微量にふくまれているそうです。
意外にも腐葉土もピートモスと同じような養分だと、ネット検索ですがそんな情報もありました。土の排水性をよくしたり、土を酸性にしたり、ふかふかにする役目がある様ですね。
市販のバラ培養土が新苗の土に向かない理由
ではなぜ「元肥2割の栽培法」が鉢植えのバラ用の土として最適なのでしょう。結論からいうと、市販のバラ専用の培養土は栄養分が多すぎるから。
ではなぜ、栄養分が多いと都合が悪いのでしょう。その理由はいくつかありました。
- 新苗
- 輸入苗
- 根の状態がよくない苗
これらの苗には向かないそうです。なので「市販の培養土は、しっかり育っている元気な株用の土といえます」と、バラ栽培の本に書いてありました。
つまり、先生考案のバラの鉢替えの土とは、「ほぼ栄養なしのバラ用土」とえいるので、追肥が唯一の栄養源となりそうです。
「ほぼ栄養なしのバラ用土」の追肥は月1回
追肥2つのポイント
追肥する肥料・回数・時期・ポイントはどうなっているのでしょう。
- 追肥は固形の油かす
- 毎月1回
- 3月〜10月ごろまで(関東)
- 真夏は控える(8月)
そして、新苗は鉢上げから1ヶ月後。大苗は、鉢上げ後に出た新芽が1cm以上伸びてから与えます。
固形の油かすを置く場所がある
固形の油かすを置く場所は、毎回少しずつ位置をずらして置いていく。そして油かすを置くポイントがありました。
- 株から遠い鉢のすみに置く
- 勢いの弱い枝の近くに置くのもよい
- 油かすは使う前に水に濡らす
そして使用する鉢のサイズに対して、直径2.5cmの油かすを与える1回の量は、
- 5号〜6号=2個
- 7号〜8号=3個
- 10号=5個
この分量が目安になるようです。
1回目の追肥|5月下旬に購入した新苗
▲今年購入した新苗たちの画像集です。
この新苗は2022/05/26日に鉢替えした苗なので、1ヶ月後は6月下旬となりました。
油かすは骨粉入りを使う?
バラの追肥としてつかう油かすは「骨粉入り」がよい。そんな情報がありました。理由は、骨粉にふくまれる成分が果実を大きくしたり、しっかりとした花を咲かせるために必要だからです。
そうなると、窒素が多くふくまれている油かすをつかうのは、どうなのか。
そこで「花肥」ともいわれる骨粉を加えれば、リン酸成分が花つきをよくしてくれるので、油かすは骨粉入りがよいという訳でした。ところがわたしは後で知ったので今回は、花用の商品を使って追肥することにします。
ちなみに油かすは発酵油かすがよいそうです。理由は、未発酵だと溶け出した成分が鉢の中で発酵してしまい温度も上がるなど、根にとってよくないからです。
苗が夏バテ気味|油かすを減らす
バラの苗が暑さのダメージを受けたとき、肥料を与えない対処法があると知りました。なぜなら根が栄養や水分を吸収できない状態だからです。逆に吸収し切れない栄養や水が土に溜まるので、よい環境とは言えないそうです。
わたしが育てるバラの新苗も夏バテ気味。葉の調子も悪いので、油かすを少な目に与えました。ほぼ元肥の無い土ですしね。そしてバラは追肥しなくても育つのは実証済みだし、追肥しないことで、弱った株が立ち直れます。
▲わたしは新苗を5号(15cm)鉢にて栽培してるので2個ですが1個。
▲フラゴナールは10号(30cm)鉢なので5個ですが3つ。
フラゴナールは、バラ栽培の教科書を購入する前に鉢上げしたものなので、栄養豊富な用土にしてあります。追肥の必要はなさそうですが、鉢植えは土の養分が流れ出やすいと聞いたので、少し追肥することに。
▲ミニバラのロースフォーエバーにも油かすを1つ追肥。
こちらは花つきがよい品種なので、肥料切れにならないためにも追肥は必要です。
>>「ローズフォーエバー」は初心者でも育てやすいミニバラだった
今日のMEMO
バラの用土を、ほぼ肥料のない状態にして置いて、必要にあわせて追肥する。これなら、どんな状態の苗にも対応できそうです。
「バラは肥料食いだといわれますが、そんなことはありません」これがバラ栽培に40年以上携わってきた先生のノウハウの1つでした。
そしてバラは品種や環境によっても育て方が変わるそうなので、先人の知恵と経験を積み重ねたりアレンジも加え、我が風の丘の庭に適した栽培法を創れたらと思いました。