つぼみのピンチ|花を長く楽しむために
四季咲き性のバラには、ひとつの花枝に数個のつぼみをつける品種があったりします。手入れをしない状態のまま放置すると、小さな花しか咲きません。ハイブリッドティ(HT)などの大輪品種はつぼみを摘んで、花数を減らし、残したつぼみを大きく開花させましょう。
四季咲き性の品種は開花調整を
つぼみのピンチのおもな目的は、
- ベーサルシュートの発生をうながす
- 株の体力を保つため、花の数を調整する
- 花が咲く時期をずらし、花を長く楽しむ
- 病気から早く回復させることができる
つぼみを摘めば、これだけの恩恵を受けられます。
ベーサルシュートの発生で株を充実させる
つぼみを摘むことで、ベーサルシュートの発生をうながせば、株もとから新たな枝が生えてきて、葉をたくさんつけるので株を充実させられます。
つぼみのピンチで株をエコモード
つぼみのピンチをしないままだと、全部のつぼみが開花します。「花がいっせいに咲く」=「株の体力を消耗する」ことなので、次の花つきが悪くなることも。つぼみを摘むことで、かぶのエネルギーロスを防げます。手入れをすることで、バラをエコモードに切り替えましょう。
花を長く楽しむために咲く時期をずらす
つぼみのピンチをしないまま自然にまかせれば、やがて花枝は伸び、花がいっせいに咲くでしょう。「たくさんの花枝を同時に咲かせる」=「花が開が咲かない時期も重なってしまう」こと。
花が同時に咲きそうなときは、「2割ほど」ピンチして開花調整を行います。花が咲く時期が、ほかの花枝とかぶらないように、つぼみを選んで摘むことで、長く花を楽しめるのです。大輪品種は残したつぼみに栄養が集中することで、大きな花が開花します。
病気からの回復が早い
病気に強い品種もありますが、バラは休眠期意外の時期は病気との戦いに追われます。病気で弱っているときに、花芽をつければ体力をうばわれます。病気の治療に専念できるように、つぼみを摘んであげましょう。つぼみのピンチは元気なバラを育てるために、なくてはならない作業です。猛暑や輻射熱によって、葉が黒くなることも。
鉢上げした「つるバラ」のつぼみのピンチをやってみた|株の復活が優先
つぼみのピンチのやり方は、
- 枝の先端にある「大きなつぼみ」を1つ残して
- 下のつぼみをピンチする
花数を減らすことで栄養が一点集中できるので残した花が充実します。
株を充実させる目的でのつぼみのピンチ
今回わたしは、バラの開花調整ではなく、根をたくさん生やすため、葉数を増やす目的でつぼみのピンチをやりました。理由は、同年2月に地植えのつるバラを鉢上げしたからです。
>>つるバラ(羽衣)を地面から掘り出し15号のデカイ鉢に植え替えた
真ん中のつぼみが成長を見せています。もしハイブリッドティなどの大輪種だとしたら、中央のつぼみを残し、育ちが遅れたほかのつぼみを摘むことになる。でも今回のミッションは、株を復活させること。
ピンチのコツは、「茎に爪を立てないようにして、指の腹でつぼみを摘む」。そうバラの教科書に書いてあったので、今回は素直に指先でひとつまみ。
株のエネルギーロスのため、つぼみが小さなうちに摘んだ方がいいと思うけど、ちょうどいい時期まで待ちました。
まだやわらかい時期ので、プリッとあっさり取れてくれました。芽切りバサミを新調したら、チョッキと切ろうと思います。
新苗のつぼみのピンチ
新苗のピンチの時期は、つぼみの直径が1.5cmが目安。つぼみのピンチが早すぎると、摘んだあとにも花枝が伸び続けてしまうので、摘むタイミングを心得ておきましょう。
今日のMEMO
つぼみのピンチについて、まとめると、
- ベーサルシュートの発生をうながす
- 株の体力を保つための花の数を調整
- 花が咲く時期をずらし花を長く楽める
- 病気からの早期回復
バラ栽培では、つぼみの段階で摘み取ることで、花を長く楽しめます。花を咲かせることだけではなく、株を丈夫にすることも大事です。