春バラの新苗を4月中に買う方がいい理由

栽培の基礎

バラの新苗とは、前年の秋〜冬に接ぎ木したものを鉢上げした、若い苗木のことです。 4月〜6月辺りに出回ります。なぜ4月中の購入がベストなのか?その理由は「早く買わないと、自分が欲しいバラが売り切れてしまう」意味ではありません。買った3ヶ月後を見据えて考えてみましょう。

新苗は「鉢増し」をして育てるもの

春になると店頭にバラの苗が並びます。バラの新苗は4号サイズのポリポットに入っているのがほとんどです。バラにかぎらず植物は、根を広く張ることで成長します。特にバラは土に水をたっぷり与え、しっかり乾燥させることで根を伸ばす性質をもっています。なので「少し大きなサイズの鉢へと植え替えていく」必要がある。体力をつかう開花のためには、しっかりとした根作りが基本です。

2度目の鉢増しは7月中に済ませる理由

バラの新苗の最初の鉢増しをしてから3ヶ月もすると、鉢底から根が出てきます。そうなれば2度目の鉢増しのサインです。ところがバラの新苗を購入した時期が遅くなると、その分、鉢増しのタイミングもずれ込みます。もし2度目の鉢増しが8月だとしたらリスクです。なぜなら夏の暑い気候に根鉢をさらすことになるからです。そのまま育てることもでますが、その分、成長は遅れます。それを避けるためにもバラの新苗は、なるべく早い時期に買う方がベターという訳です。ちなみにわたしが買ったバラの書籍では、2度目の鉢増しは「7月下旬」と書いてありました。

バラの葉数が少ないのは根のサイズに比例する?

植物の成長原則として、通常「根のサイズ=木のサイズ」です。つまり根がたくさん張れば、木は大きく育ちます。この年、わたしがバラの新苗を購入した日は、>>5月11日と5月26日だったので、当然、鉢増しの時期も遅くなってしまい、2度目の鉢増しは8月になりました。結局、涼しくなる盆過ぎに2度目の鉢増しをすることになったので、やや成長が遅れたような気がします。早い時期に鉢増しをしていれば、もしかしたら葉数が増えたのかも知れません。というわけで、8月下旬、2度目の鉢増しをすることにします。

ハリーエドランド2度目の鉢増し|2022/08/25

なるべく涼しい気候で鉢増しを

夏の鉢増しは、曇りの日・風がない・気温の低い早朝がおすすめです。根への負担を避けましょう。

今回わたしは、6時代に鉢増しをしました。この日の気候は24度・湿度92%・風もほぼ無し。涼しく好条件でした。

6号鉢から8号鉢へ移し替え

▼最初の鉢替えと同じ材料でバラ用土を自作します
>>バラ新苗の鉢替え|肥料少なめの土で失敗しない

バラの苗を8号鉢へ移し用土を入れる作業

8号鉢の底に赤玉土(大つぶ)を敷いたその上に、いま作った用土を入れます。

6号鉢からバラの苗を取り出す作業

バラの苗が入った鉢植えから苗を取り出すときは、鉢の側面を「にぎりこぶし」で強くたたきます。前回はうまく抜けませんでしたが、今回は、これでもか!というほどの強さで鉢の側面を何度もたたきました。それから苗をぬいてみると、スッと取り出すことができました。

▼ちなみに前回(一昨日)の鉢増しでは、マイナスドライバーを刺して取り出しています
>>【バラ新苗〜夏】鉢底から根が出た|鉢増しするべきか?

斜め上からのショット。こうして見ると、根は外側と、下へ下へと伸びることがよく分かります。鉢の内側の壁に当たる様に伸びている。

根鉢の底の部分(赤玉土大つぶ)の中に、ダンゴムシ数匹を発見!つまんで取り出しました。あとでオルトランDXを土の表面にまぶす対策をする予定。ちなみにオルトランDXは、根から吸収した成分で植物を守る仕組みの薬です。基本バラをかじることで害虫を駆除できます。臭いもきついので効果が期待でそうです。

バラの根が急に育った理由は鉢を「まくら木」で囲ったから?

この根鉢の量がいつ出来上がったのか?は分かりませんが、7月20日、それまでバラの鉢を置いていた場所から土の地面に移動させました。そして「まくら木」で鉢の側面を囲って日影を演出。

▼まくら木・バケツ・鉢をつかって日除けをつくりました
>>【バラの鉢植え】夏の日差しから鉢をガード|家にある物と今直ぐ出来る対策をやってみた

その後、まくら木で囲った中に入れたバラの鉢を持ち上げてみると、約3・4cmの長さの結構な量の白い根が鉢の外に飛び出しているのを確認。これには本当に驚きました。鉢を暗くすると根は伸びるのです。ところが翌日、再び鉢を持ち上げてみると、根は茶色く縮まってしまい、まるでトウモロコシのひげの様。根は繊細でした。

もしかしたら7月下旬には既に鉢からぬける状態だったとも考えられます。もし鉢が日に当たる状態だとしたら根が外にでることはあり得ません。これも実際に栽培したから見えたもの。貴重な経験となりました。

8号鉢に土を入れる作業

鉢の中に入れる苗の位置は、ウォータースペースを考えて土を入れましょう。わたしは自作用土を入れすぎてしまい、苗の位置が高くなりすぎたので、もう一度やり直しました。

トロ箱の中に鉢を入れて作業すると、土が盛れるのを防げます。土がもったいないし、床の掃除も面倒なので一石二鳥です。

棒で土を突っついて、土の隙間を埋めましょう。わたしは支柱を使いました。

鉢増し後の仕上げ

鉢増しのビフォーアフター画像。やはり8号鉢は大きですね。

水やりは、鉢底から透明な水が流れ出るまで続けます。理由は、細かい土が固まってしまうのを防ぐため。根にとって通気性は大事です。

わたしは9月10日までに夏剪定をするつもりなので、体力温存させる目的で油かすを追肥しました。これから秋になるので少し多めにチョイスしています。ちなみに、苗が弱っているケースでの追肥は禁物。そんなときは液体肥料(活力剤)がよいそうです。

先日、おなじ様に鉢増ししたローズオオサカも、また同じ様に、まくら木を使って鉢をガード。8号鉢なのでまくら木から鉢の上部が見える状態ですが、鉢増しをしたので、土が緩衝材となってくれるでしょう。当分の間は、強い直射日光による根への負担は減りそうです。

今日のMEMO

今年の春に購入した3つの新苗のバラの鉢増しが無事終わりました。これから夏も終わり秋に変わるので、病気対策をしっかりとしていきたいです。

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