ベーサルシュートのピンチ|よい樹形をつくる
ベーサルシュートは、将来、主な枝となって、花を咲かせる新しい枝です。ベーサルシュートが出てきたら、若いうちにピンチするのがベターです。株のエネルギーロスを防ぎ、枝を充実させてあげましょう。
将来の主枝を育てるためにやるべきこと
ベーサルシュートとは?
ベーサルシュートとは、「樹木の切り株や根本から生えてくる若芽」のことで、後で親枝となる芽です。まず「シュート」とは、新しく出た勢いの強い枝のこと。
- ベーサルシュート=株もとから出た枝
- サイドシュート=比較的高い位置から出る枝
通常の樹木は、幹が成長していきますが、バラはちがって、新しい枝と古い枝が入れ替わる性質をもっています。
なぜベーサルシュートのピンチが必要なのか
そもそもなぜベーサルシュートのピンチが必要なのでしょう。そこでベーサルシュートをピンチしなでいると、どうなってしまうのか?の先読みです。
- ベーサルシュートとは勢いの強い枝
- そのまま放置すると、枝がほうき状に分かれ、その先端にたくさん花芽をつける
- 花芽をたくさんつけると栄養が分散する
- 枝そのものの成長が弱くなる
- 枝の混みすぎで病気のリスクが高まる
この様なデメリットがあるので、バラ自身の生育のためには、ベーサルシュートのピンチが不可欠になってきます。とくに新苗は株の成長が優先。ほうき状になった枝先に、花をたくさん咲かせてはいるものの、ひ弱な枝ぶりのバラをたまに見かけるのには理由がありました。
ベーサルシュートをピンチして枝を充実させる
ベーサルシュートをピンチすると枝が充実します。葉の数が増えれば、光合成がうながされ、バラにエネルギーがチャージされる。ベーサルシュートのピンチの時期は、まだやわらかい若い時期にピンチして、枝がほうき状になるのを防ぎましょう。
ベーサルシュートをピンチすると、ピンチした枝の切り口の下にある葉腋(葉の付け根部分)から、新しい枝が伸びてきます。更にほどよい高さに伸びたころ再びピンチします。
再び伸びたベーサルシュートのピンチの時期
四季咲きの多くの品種は、春の開花後からベーサルシュートが出始めます。まだ若くトゲがやわらかい時期にソフトピンチしましょう。穂先のつぼみがアズキ粒ほどになったころが目安。
また伸びてきた枝のピンチの時期も、穂先が同じ様なサイズになったころに行います。2〜3回ピンチを繰り返すと、枝が長く強くなり、葉がたくさんついてきます。葉がたくさんつけば、光合成がかっぱつになるので、バラの木は元気に成長できます。
ベーサルシュートが伸びる時期の管理ポイント
ベーサルシュートが伸びる時期は、乾燥に注意が必要です。鉢植えは水切れしやすいので、毎日の観察を日課にしてください。
地植えの場合でも、乾燥が続くよなら2〜3日に1回は水を与えましょう。ワラや腐葉土やバークチップなどを株もとに敷いて、土の乾燥を防ぐ方法もあったりします。
【新苗】ベーサルシュートのピンチ|Before after
- ピンチする前(左)
- ピンチした後(右)
先ほどいった様に、ピンチすると再び枝が伸びてきます。
見つけたら同じように、またつぼみのピンチを繰り返しましょう。そして枝の長さが、ある程度の長さまで伸びたら、枝が高くなり過ぎないように、そこで穂先を切ります。
ベーサルシュートのピンチ|初心者は早めに摘む
わたしの経験からいうと、まだ出回ったばかりの新苗の方が分かりやすいと思います。なぜなら枝がある程度、伸びてしまった苗の場合、どの位置をピンチすればいいのか?よく分からないからです。
そしてベーサルシュートのピンチの方法を説明する本やWebサイトなどに載せたている画像とは、ピンチする適期だったりします。自分の苗木と同じ状態だとしたら分かりやすいですよね。
今日のMEMO
ベーサルシュートについて、ざっくりとまとめます。
- ベーサルシュートとは、将来的に主幹となる勢いのある枝
- ベーサルシュートをピンチして、花芽を咲かせない
- ベーサルシュートをピンチによって、枝が充実する
- ベーサルシュートのピンチで、葉の数を増やし光合成をうながせる
将来の親枝となるベーサルシュートを育てるために、しっかり管理していきましょう。