薔薇の休眠期ってなに?系統別に見る冬の管理のコツ
寒さが深まる冬。
庭の薔薇が葉を落とし、じっとしている姿を見ると「枯れてしまった?」と心配になることもありますよね。でも実はこの時期、薔薇は休眠期という大切な時間を過ごしています。
今回は、薔薇の休眠期の基本と、系統別の管理ポイントをまとめてみました。
春に元気な芽吹きと美しい花を迎えるための、冬仕事の参考になれば嬉しいです。
薔薇の休眠期とは

薔薇の休眠期は、だいたい 12月〜2月頃。
寒冷地では少し早く、暖地では短めになることもあります。
この時期の薔薇は
- 葉を落とす
- 成長が止まる
- 水や養分の吸収が最小限になる
いわば「冬眠」のような状態。
しっかり休ませることで、春に勢いよく芽吹き、花つきも良くなります。
休眠期の基本管理(まずは共通ポイント)

どの系統にも共通する、冬の基本管理はこちら。
- 水やり:乾いてから少量(地植えはほぼ不要)
- 肥料:基本は与えない(寒肥は系統により)
- 剪定:休眠期剪定が最重要
- 消毒:病害虫の越冬対策
- 防寒:鉢植え・寒冷地では必須
ここからは、系統ごとに詳しく見ていきます。
ハイブリッド・ティー(HT)

大輪で、いかにも「バラらしい」花を咲かせる系統。
休眠の特徴
休眠ははっきりしていて、冬はしっかり止まります。
管理のポイント
- 剪定:強剪定(地上30〜40cmほど)
- 寒肥:与えると春の生育が良い
- 防寒:株元のマルチングがおすすめ
春に大きな花を咲かせたい人は、思い切って切るのがコツ。こからは、系統ごとに詳しく見ていきます。
フロリバンダ(FL)

房咲きで、花数が多いのが魅力。
休眠の特徴
HTよりややマイルドな休眠。
管理のポイント
- 剪定:中〜やや強剪定(40〜50cm)
- 寒肥:OK
- 防寒:通常は軽めで十分
切りすぎると枝数が減り、花数も減りがち。
シュラブローズ

自然な樹形で、庭植え向きの系統。
休眠の特徴
半休眠タイプも多く、冬でも完全には止まらない品種も。
管理のポイント
- 剪定:弱剪定(枯れ枝・混み枝中心)
- 寒肥:控えめ
- 防寒:耐寒性が高い品種が多い
「切らない勇気」が大事な系統です。
つるバラ(クライミング・ランブラー)

壁やフェンスを彩る主役級の存在。
休眠の特徴
特に一季咲き品種は、休眠がとても強い。
管理のポイント
- 剪定:
- 一季咲き → 古枝を残す
- 四季咲き → 不要枝のみ整理
- 誘引:休眠期がベストタイミング
- 寒肥:有効
花芽は「前年枝」に付くことが多いので要注意。
オールドローズ
香りが良く、クラシカルな魅力のある薔薇。
休眠の特徴
非常に休眠性が強い。
管理のポイント
- 剪定:ほぼ不要(形を整える程度)
- 寒肥:可
- 防寒:基本的に不要
剪定しすぎると翌年まったく咲かないことも。
ミニバラ

小さいけれど、管理は意外と本格派。
休眠の特徴
四季咲きで休眠は中程度。
管理のポイント
- 剪定:中剪定(全体の半分ほど)
- 水やり:乾燥しすぎに注意
- 防寒:鉢の凍結対策が重要
サイズに油断せず、大輪バラと同じ気持ちで。
今日のMEMO
休眠期の薔薇は、何もしないようでいて、実は来シーズンの準備中。
系統ごとの性質を理解して、
- 切るべきか
- 切らないべきか
- 守るべきか
を見極めることが、春の美しい開花につながります。
寒い冬も、
「春の薔薇を思い浮かべながらのお手入れ」
だと思うと、ちょっと楽しくなりますね。


