【鉢植え】夏のバラ栽培|暑い日本の夏を乗り切るために

夏のお手入れ

バラの鉢植えにとって、日本の夏とは辛い時期。春と同じ条件で育てると、苗を痛めるリスクを秘めています。夏を乗り越えるためには、暑さ対策が必要です。

日本の暑夏を乗り切ろう|夏のバラ栽培

水やりは早朝に行おう

「夏の水やり」についての基本ルールとは、

  • 気温が上がる前の早朝に
  • ホースの内部の温まった水を全部抜た冷水で
  • 高温乾燥が続くときは、夕方も水を与える

日差しが強い日中や、高温で温められた土の条件での水やりは「根焼け」の元凶です。朝の涼しい時間帯に水やりをすることが、バラ栽培の基本ルールと覚えておきましょう。

地球温暖化の影響で、夏の概念が変わりつつあるのは知っての通りです。夏は7月〜とは考えず、4月5月でも真夏のような日は増えています。その辺りは天気予報や自分の判断をきたえ、この異常気象を乗り越えていきましょう。

風通しのよい場所で

バラは風通しのよい場所を好むので、当たり前ですが、風通しのよい場所で育てましょう。風の通り道は目で見ても分かりずらいケースもあるものです。日照条件なのども照らし合わせて、「庭のどの場所に置くのか?」を、探してみるとよいでしょう。

バラの根が痛む場所|輻射熱(ふくしゃねつ)に注意する

夏の鉢植えのバラ栽培で、気をつけるべきポイントは輻射熱。バラ栽培においての輻射熱とは、太陽の日差しを受けた構造物が熱を吸収。その熱がバラに伝わることです。

たとえばコンクリートの床やブロック塀。または石畳や鉄鋼製品など。とくにプラスチック製の鉢をつかう場合は、熱が伝わりやすいので対策が必要です。根焼けして葉が黄色く枯れ落ちてしまうことも。

輻射熱を避けた場所へ移動する

1. 土の地面に置く

そんなときは、土の地面に置くようにしましょう。地面に置けば、輻射熱もやわらぎます。また、土の上に置くということは、鉢の下は土に触れているので、鉢の中の水分が蒸発しにくい条件もつくれます。綺麗に咲いたバラをみんなに見てほしいのは分かりますが、暑さが厳しい夏の間は、輻射熱を避けた環境がよいのです。

2. 日影をつくる

そうはいっても、土がある場所がないケースもあることでしょう。そんなときは、遮光ネットなど、物理的に日影を作り出すことで、太陽の熱を受けないようにします。

3. 日照時間も忘れずに

ただ、バラは日光を好む「陽性植物」だということを忘れてはいけません。もし一日中、日が当たらない場所で育てると、生育不良になってしまうので、午後だけ覆いをかけるなどの工夫が必要です。

「鉢」の暑さ対策

どうしても移動できないケースもあることでしょう。そんなときは鉢をカスタマイズしてみるのも一つの手です。

1. 鉢は鉢でガード(二重鉢)

いま使用する鉢のサイズよりも、少し大きな鉢が使えます。少し大きな鉢の中に、いま育てる鉢を入れることで、輻射熱を和らげることが可能です。

>>バラの葉が黄色いのは夏バテ?|大きな鉢の中に入れてみた

2. 遮光ネット・遮熱シートでガード

ほかには、遮光ネットや遮熱シートなどを使う方法です。鉢の側面に遮光ネット、あるいは遮熱シートをぐるっと一周させるように覆います。つかう素材によって断熱率も変わるので、実際につかってみることで、熱伝導の感触を確かめてみましょう。

移動できないときは?

輻射熱を放つ環境から、どうしても移動できないケースもあるかも知れません。そんなときは「地面」と「鉢」との間に熱を通さない工夫をしてみるのはどうでしょう。

わたしは西日を避けるため、家の東側の駐車場で鉢植えのバラを置いています。地面からの熱を避けるため、床に枕木(まくらぎ)を敷いた上にバラを鉢を乗せました。ところが気温が上がるに連れ、そしてブロック塀の熱も加わって、あまり良い対策とはいえない気がしたので、別の場所へと移動しています。

>>鉢植えのバラを石張りの床に置くのは危険

株の体力を温存させる|開花調整

バラにとっての開花とは、体力をつかう行為です。暑さに弱い品種などは、つぼみを摘んで花を咲かせないようにします。余分なエネルギーを消費させないことで、暑い夏を乗り切っていきましょう。

バラが過ごしやすい場所に鉢植えを置く

バラにとって日本の夏は暑すぎる

植物であるバラは、当たり前ですが太陽の光が必要です。光合成によって、活動エネルギーを作り出し、生きられます。なので一日中日、日の当たる場所に置くことが理想的。ですが夏はバラの鉢を置く場所には注意が必要です。

品種にもよりますが、基本的にバラは暑さが苦手な植物だから。現代バラの多くは、西岸海洋性気候の西ヨーロッパで作出されているそうです。そもそも日本の暑い夏には適さないというわけでした。

バラの好む気候を理解する

そこで西ヨーロッパの西岸海洋性気候の特徴を理解しておきましょう。

  • 偏西風による海風の影響で、夏涼しく冬温暖
  • 暖かい時期の平均気温=10〜22℃
  • 寒い時期の平均気温=−3〜18℃
  • 季節平均的に雨が降る

調べによると、この様な状況がバラの生息地の気候でした。そうなると、なるべくバラが辛くない環境作りが、夏のバラ栽培の重要なキーワードになりそうです。

バラが必要とする日照時間とは?

バラは太陽の光が欠かせない植物なのはわかりました。けれど誰もが理想的な日照時間を得られる場所があるとはかぎりません。

日の当たる時間が「午前中だけ」「午後だけ」「ずっと半日影」など、住われている条件はそれぞれ。実際は、一日のうち数時間しか光合成をさせてあげられないケースも少なくはない気がします。そこでバラの日照時間について、ざっと調べてみました。

そのバラの特性によって日照時間は変わる?

日照時間(直射日光が当たる時間)について調べると、

  • 4時間程度
  • 4〜5時間
  • 5〜6時間

でした。

逆にいうと、「最低4時間は必要」といえそうです。そしてバラは品種によって日照条件が「日向」「半日陰」「日陰」この3つの特性に分かれます。でもこの条件とは、「この日当たりで育てましょう」の意味ではなく、「この条件でも育つ」という意味。

何度もいいますが、バラはほかの多くの植物と同じように、日向を好む「陽性植物」。半日影・日影を好むのではなく、「耐陰性の品種がある」というだけなので、太陽の日差しをたくさん必要とします。自分がバラを育てる環境を考えた品種選びも、バラ栽培を楽しむ方法ではないでしょうか。

今日のMEMO

そもそもバラにとって、日本の気候は適しません。「水切れ・輻射熱・風通り」などの暑さ対策をして、バラの負担を減らしてあげたいものです。

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