バラ栽培の初心者が『バラ栽培の教科書』を読んで驚いた1つのこと
わたしは購入したバラを、鉢入りで管理するよりも庭に植えた方がいいと考えて、数年前、花壇がある場所に植えました。ところが年々バラは元気がなくなっていき、成長するどころか、生きながらえるのがやっと。
実は植えたその場所は少し問題があったので、このままではダメだろう・・そう諦め気味。そして今回、そのバラを植えた花壇をリセットしようと思い立ち、植えてある3本のバラの木を鉢に移し替えました。
わたしはこの時点に置いて、バラの知識はほとんどありません。どうせなら立派な花を咲かせたい!バラの再起をかけ、バラ栽培の教科書を購入しました。
『バラ栽培の教科書』とバラ栽培の一般論の最大の違いは「バラのための用土」
一般的にバラは「肥料食い」といわれますよね。お礼肥・芽出し肥・寒肥など、その状態に合わせた肥料を与える慣わしを、聞いたことがある人もいることでしょう。これはバラ栽培に限らず、植物全般に言えること。
わたしは庭にブルーベリーを植えています。毎年まばらにしか実らなかった実が、油かすを与えた翌年には、大きな実をつけてくれました。けどこの教科書の著者がいうには、肥料について2つの見解を持っています。
- 野生のバラは肥料なしでも花は咲く
- 肥料を与えすぎると、生育障害を起こす
「だから肥料は最小限でいい」そんな風にわたしは理解しました。とくに問題にしているのが肥料の与えすぎについて。その内容を本書から少し引用。
逆に肥料を与えすぎると、土壌中に保持しきれない肥料分が水に溶けて必要以上にバラに吸収され、様々な育成障害を起こします。とくに化学肥料の場合は、土壌の塩分濃度が濃くなりすぎて、根の水分を奪ってしまうこともあります。
なので「お礼肥」や「芽出し肥」は不要とのことでした。
そして著書には「化学肥料のやりすぎが原因で、乾燥し緑が縮れていまった葉」の写真がキャプションされています。『ああ、こんな感じの葉になったら、肥料過多なのね?』と知ることも出来そうです。そうなると、バラ用の土と肥料の配分が気になってきますよね?
バラの用土が驚くほどシンプル|鉢植えのバラ栽培
『バラ栽培の教科書』を監修した鈴木満男先生考案の土について、自分なりに分かったことの結論は、使う堆肥が圧倒的に少ないことです。少しネタバレになりますが、例えば「新苗の鉢替え」で用意するバラの用土の比率は以下の通り。
- 赤玉土(小粒)/ 7割
- ピートモス / 2割
- パーライト / 0.5割
- もみ殻くん灰 / 0.5割
この比率を見て分かる様に、その成分の7割が土で、堆肥はピートモスの2割程度と、圧倒的に肥料成分が少ないバラの用土になっています。しかも堆肥がピートモスでは、腐葉土ほどの養分摂取は期待できないことでしょう。
その対策として、月に一回、固形の油かすを与えることを推奨していました。つまり鉢に使う土は布団の役目として作り、栄養は後から追肥する方法です。ちなみにもし苗が元気な場合、堆肥0.5・パーライト0.5・赤玉土小粒を1割増やしてもいいそうです。
堆肥の割合が少ない土だったら、肥料やけの心配や、水はけが悪くなることでの根腐れの心配も無さそうです。これはあくまでも新苗の鉢増しについてのこと。ところが時すでに遅し。庭のバラを鉢上げに使った土は、肥料たっぷりの成分。
堆肥の割合が少ない土のメリット
先ほどと重複しますが、一般的に売られているバラ用の土の成分を見ると、堆肥などがふんだんに使われてますよね。
- 赤玉土
- 動物性の堆肥(牛糞・馬糞)
- 植物性の堆肥(腐葉土・ピートモス)
- 排水性(鹿沼土・パーライト・ヤシ柄)
- くん灰
格ブランドによって配合は様々。そのほとんどが肥料多めではないでしょうか?よく「ふかふかの土」っていわれてますよね。でも必ずしもそんなことはないそうです。
今回わたしはバラの木を鉢上げするさいに、ネット検索でヒットしたwebサイトやブログを参考にバラの用土作りをやりました。調べたサイトのその全部が全部、赤玉などの土の成分意外の堆肥などの成分は、今回購入した参考書に比べると多め。比率に違いはありましたが、だいたい同じ様でした。
この本を購入したのは5月上旬。そしてこの記事を書く今現在は6月27日。すでにこの本を参考にして新苗の鉢替えをやり終えています。今回が初めてなので、比較対象する経験がありませんが、生育不良や枯れることもなく、結果はそれなりに順調です。
『バラ栽培の教科書』の主な項目
最後にこの本の主な項目をざっくり書き出してみます。
- バラ栽培の基礎知識
- 庭のデザインと花のカタログ
- バラ苗の植え付けと殖やし方
- 季節ごとのバラのお手入れ
- バラの病気と害虫対策
- 各章の終わりごとにQ&Aあり
こんな目次になっていました。
読んでみた感想は『初心者としては必要な一冊を手に入れた!』の一言に尽きます。ただ、画像つきで説明されてはいますが、読んだだけでは理解不能な箇所もありました。
たとえばピンチの方法です。実際わたしは新苗のピンチをやりましたが、これであっているのか?やっていながら確信が得られませんでした。もしわからない時は、本で推奨する様に、花屋やバラ専門店でバラを購入したさいに、プロからのアドバイスをいただく方がよさそうです。
わたしは動画サイトで研究もしてますが、やはり実際に自分で経験して得た知識に勝るものはないと思います。なぜなら自分が購入したバラの苗が、本や動画と同じ様な状態とはかぎらないので、そっくり真似できないからです。ダメ元でやってみる。そしてその結果から正しい方法を学び取っていくつもりです。
今日のMEMO
バラの用土として肥料の比率が少ない栽培法をこの本で説明していましたが、これで本当にバラは多くなって、綺麗な花をたくさんさかせてくれうのか?現時点では分かりません。ですが長年バラと向かってきた先生が培った知識と経験から導き出された栽培法なのでしょう。
もちろんそのバラの状態や、その環境によって、独自にアレンジする必要もあるそうなので、試行錯誤は必要だと思います。この本を読むまで、謎だったことがたくさん知ることができました。ありがたく参考にさせていただくつもりです。